人生100年時代をいつまでも自分らしく~フレイル予防~

「フレイル」をご存知ですか?


 年齢とともに心身の活力が低下し、要介護状態となるリスクが高くなった状態を「フレイル」といいます。フレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険があります。フレイルに早く気付き、正しく介入(治療や予防)することで元の健常な状態に戻ることが可能なため、早目の対策が必要です。
 人生100年時代をいつまでも自分らしく歩んでいくために、フレイル予防をはじめませんか。

フレイルの図

要介護状態になるのを防ぐために

介護が必要となった主な原因

 南足柄市の介護が必要となった主な原因疾患を調べた所、「要介護」の状態になる原因疾患の第1位は認知症でした。続いて、関節・脊椎疾患、脳血管疾患などが上位を占めていますが、これらはいずれもフレイルが大きな要因となります。つまり、フレイルを予防・改善することが、要介護状態になることを防ぎ、健康で自立した生活を続けられることにつながります。


フレイル危険度を測るには?

 フレイル危険度を測るには、いくつかの方法があります。ここでは、簡易フレイルインデックスをご紹介します。1~2点はプレフレイル(フレイルの前段階)、3点以上はフレイルの可能性があります。
≪フレイルチェック≫
  質問 1点 0点
Q1 6か月間で2~3kg以上の体重減少がある はい いいえ
Q2 以前に比べて歩く速度が遅くなった はい いいえ
Q3 ウォーキングなどの運動を週に1回以上している いいえ はい
Q4 5分前のことが思い出せる いいえ はい
Q5 (ここ2週間)訳もなく疲れたような感じがする はい いいえ
Yamada M, et al, 2015より引用

フレイル予防の3本柱

 フレイルを予防するポイントは「食事(栄養+口腔機能)」「身体活動」「社会参加」、つまり「食べて、動いて、人と交わる」ことです。これらの3つの生活習慣は互いに影響を及ぼしており、どれか1つ欠けると他の2つがバランスを崩してしまいます。フレイルを予防して健康寿命を延ばすための大切な3本柱となるので、日頃の生活習慣を見直して一緒に改善していくことを目指しましょう。
3本柱

はじめよう!フレイル対策

1本目の柱:食事(栄養編)

 高齢になると食が細くなり、食事量が減ってしまいがちです。放っておくと体重が減って、フレイル対策の大黒柱である筋肉を失うことにつながります。たんぱく質を意識的に摂ることや、多様な食品を摂ることで、フレイルに負けない体づくりに取り組みましょう。
 

ポイント1:「たくさん」より「まんべんなく」食べましょう
 食事量や食品数が減り、主食(ごはん、パン、めん類)ばかりの食事になると、気づかないうちに「低栄養状態」を引き起こすおそれがあります。低栄養状態になると、免疫力が低下して病気になりやすくなったり、筋肉や骨が弱くなり転びやすくなったりします。
 予防するためには、次の10食品群を意識して「まんべんなく」食べましょう。

さあにぎやかにいただく
※「さあにぎやかにいただく」はロコモチャレンジ!推進協議会が考案した合言葉です
ポイント2:1日3食、主食・主菜・副菜をそろえましょう
 食事を抜くと、体の活動に欠かせないエネルギーやたんぱく質が不足し、低栄養状態になる可能性があります。1日3食、なるべく毎日同じ時間に食事をとることを心がけましょう。また、主食・主菜・副菜を意識すると、10食品群の栄養バランスが整いやすくなります。
主食・主菜・副菜
ポイント3:たんぱく質を意識してとりましょう
 加齢とともに筋肉を作る効率が落ちてしまうため、若い頃より意識してたんぱく質をとる必要があります。筋肉を落とさないために、体重1kgあたり1.0g~1.2gのたんぱく質を目安にとりましょう。
たんぱく質量
 また、1日に必要なたんぱく質量が食事だけではとれない場合、間食を有効活用して補うことができます。
間食でちょい足し

1本目の柱:食事(口腔機能編)

 お口の筋力が弱ってくると、食事がとりずらくなり、低栄養状態や筋力低下、さらに全身の機能低下につながることがあります。このようなお口の衰えは「オーラルフレイル」と言われ、”お口の衰えは近い将来全身が衰えるサイン”とされています。オーラルフレイルのサインが出ていないか、チェックしてみましょう。
【オーラルフレイルチェック】
質問 はい いいえ
半年前と比べて、固いものが食べにくくなった 2点 0点
お茶や汁物でむせることがある 2点 0点
義歯を使用している 2点 0点
口の渇きが気になる 1点 0点
半年前と比べて、外出が少なくなった 1点 0点
さきいか・たくあんくらいの固さの食べ物がかめる 0点 1点
1日に2回以上は歯を磨く 0点 1点
1年に1回以上は歯医者に行く 0点 1点
合計点数が
 0~2点:オーラルフレイルの危険性は低い
 3点:オーラルフレイルの危険性あり
 4点以上:オーラルフレイルの危険性が高い

【オーラルフレイル対策】

オーラルフレイルは対策をとることで、予防・改善ができます。
対策1:お口の筋力をアップする
 お口まわりの筋力が低下するとむせやすくなります。
 無理のない程度に歯ごたえのあるものを食べたり、よくかんで食べる(ひとくち30回)、口や舌の筋肉をきたえる体操を行いましょう(下図)。

対策2:だ液の分泌を促す
 だ液の分泌量が少なくなると、むせや誤嚥などが起こりやすくなります。次のようなだ液腺マッサージを行い、だ液の分泌を促しましょう(下図)。

対策3:歯周病を予防する
 歯周病は歯を失う最大の原因となります。食後は丁寧に歯磨きを行い、定期的に歯科医院を受診しましょう。
かむ力を鍛えよう

2本目の柱:身体活動

 生活が不活発な状態(動かない状態)が続くと、身体フレイルが進行し、やがて介護が必要な状態につながっていきます。例えば、健康な高齢者が2週間家の中であまり動き回らないと、足の筋肉量が3.7%減少したという研究報告があります。これは、3.7年分の老化に相当します。

【サルコペニアチェック】

 まずは、ご自分の筋肉量が減少していないかチェックしてみましょう。筋肉量が減少した状態を「サルコペニア」と言いますが、簡易的に「指輪っかテスト」でチェックすることができます。

(1)膝を直角にして足の裏がうらが、しっかりと地面に着く状態で座れる高さの椅子、台に座ります。
(2)親指と人差し指で「指輪っか」をつくり、利き足でない方の足の一番太い部分で調べます。
サルコペニアチェック
参考:「フレイル予防ハンドブック」東京大学高齢社会総合研究機構

【身体フレイル対策】

 筋力や筋肉量を維持・改善するためには、ウォーキング等の有酸素運動と筋トレ等のレジスタンス運動の両方を取り入れながら、体を動かすことが効果的です。運動習慣のない方は、まずは今までよりも10分歩く時間を増やすことから始めましょう。

対策1:ウォーキング

 ウォーキングは筋肉量の低下や歩行速度の低下を予防するほか、認知機能の低下を予防したり、心肺機能を高める、生活習慣病を予防改善するなど、様々な効果があります。また、今まで運動習慣がなかった人も取り組みやすい有酸素運動です。買い物に歩いて行ったり、家の周りを散歩するなど、意識して歩く機会を増やしましょう。
正しいウォーキング
整理体操

対策2:筋トレ

 筋トレは筋肉や骨をきたえ、転倒や骨折を防ぐ効果があります。特に衰えやすい下肢の筋トレをきたえるお勧めの体操を紹介します。
 無理は禁物ですが、少しきついと感じるくらいの強度で行うと、より効果的です。
下肢筋トレ

6つの下肢筋トレチラシ.pdf  PDF形式 :481.6KB

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6つの下肢筋トレの動画はこちら↓
(YouTube「南足柄市介護予防サポート隊が教える6つの下肢筋トレ」より)

3歩目の柱:社会参加

 「最近外出する機会が減った」と感じることはありませんか。家族や友人との付き合いが少なくなり、他人との交流が減る状態を「ソーシャルフレイル」と言います。認知機能の低下やうつも招きやすくなるため、社会との接点を維持していくことは心の健康を維持するためにもとても大切です。
対策1:外出する機会を増やして閉じこもり予防
 ・体を清潔に保ち、服装に気を配れば外出する意欲が高まります。
 ・社会の出来事や流行っていることなど、何事も好奇心を持って接しましょう。
 ・散歩や買い物はもちろん、地域の集まりなど、積極的に外出の機会を作りましょう。
  南足柄市では、高齢者が身近な公民館等で体操できる「通いの場」が様々な地域で行われています。
  (通いの場は下記をご覧ください)
通いの場

通いの場チラシ.pdf  PDF形式 :476.6KB

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対策2:趣味を楽しみ、仲間との交流を
 熱中できる趣味を持つことは、大きなモチベーションになります。サークル活動などを通じて同じ趣味を楽しむ人との交流を持ったり、インターネットを通じた交流を行うなど、様々な交流の仕方があります。

対策3:ボランティア活動に挑戦してみましょう
 清掃やこどもの登下校時の見守り、介護予防体操など、高齢者が気軽に参加できるさまざまなボランティア活動があります。こうしたボランティアに参加することは、地域の人たちとの交流が深まるだけでなく、体を動かす良い機会になります。自分のペースに合うものを選びましょう。

対策4:仕事をする
 現役時代のキャリアを活かせる仕事だけでなく、新しいことに挑戦してみるのも良いでしょう。

最終更新日:2024年06月13日

この情報に関するお問い合わせ先

健康づくり課 健康づくり班

電話番号:0465-74-2517


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