文命堤築堤時関係資料を市指定有形文化財に指定

 平成30年9月20日に文命堤築堤時関係資料(文命宮祠、水鉢、文命大明神御寶前、文命東堤前碑、文命東堤後碑(旧碑)、大口川丈地蔵尊)を市指定有形文化財に指定しました。
 文命堤築堤時関係資料は、文命堤の築堤に功績ある田中丘隅との直接的な関係が強い資料であり、史跡文命堤とともに酒匂川の治水の歴史を後世に伝える歴史資料です。

文化財の概要

  1. 指定名称
     文命堤築堤時関係資料(ぶんめいていちくていじかんけいしりょう)
  2. 員数
     5基・1体(一括指定)
  3. 種別
     市指定有形文化財 歴史資料
  4. 指定日
     平成30年9月20日
  5. 所在地
     南足柄市怒田字渕ノ上1912番3地先、南足柄市班目字小松原4番地先(福沢神社境内と東側隣接広場)

各文化財の詳細

文命宮祠
文命宮祠(ぶんめいきゅうし)

 
 田中丘隅によって享保11年(1726)に建立されました。
 丘隅は治水・護岸を祈願するため、大口・岩流瀬土手上に中国の治水神・禹王(称号は文命)を祭る文命宮を作りました。
 その後、文命東堤(南足柄市)の文命宮は関東大震災で倒壊し、放置されたと伝わります。平成20年、福沢神社移転に伴う文化財調査の際、神社境内にて発見されました。
 文命宮祠は、祠石の中央部が方形にくりぬかれているのが特徴で、現状の台石、蓋石及び笠石は、文命西堤(山北町)の文命宮を参考に復元されたものです。
 


水鉢
水鉢(みずばち)

 
 享保12年(1727)に寄進されたと推測されています。
 「享保十二丁未年九月吉祥辰」銘があり、また、『南足柄市石造物調査報告書5』によれば「百姓 左兵治 他 二十五名 寄進」の銘があるとされます。
 寄進者筆頭の「左兵治」銘は、班目村の名主をつとめた佐平次(左平次とも)と推測され、本件の寄進には大口土手下の住民が関わっていたと考えられます。


文命大明神御寶前
文命大明神御寶前(ぶんめいだいみょうじんごほうぜん)


 享保12年(1727)に寄進されたものです。表面に「文命大明神御寶前 巳野庄次郎 田中兵庫 同千五郎 田澤源太郎 森田十郎衛門 内田忠八郎 田澤源蔵 土肥彦右衛門 小川九郎平」、表面向かって左側面に「享保十二年未八月 石工 七右衛門」銘があります。
 寄進者の一人である「巳野庄次郎」は享保14年(1729)、大岡忠相の配下となり「蓑笠之助」と名を改めています。田中丘隅の娘婿であり、丘隅の元で働き治水技術を学んでいったと思われます。享保11年(1726)の大口土手締め切りの御普請では丘隅の下役として働き、享保12年(1727)の川除普請において正式に幕府役人としてこの御普請にあたっています。
 巳野庄次郎(蓑笠之助)や田中兵庫(丘隅の嗣子)ら総勢9名は、享保11年の大口・岩流瀬土手締め切り御普請に従事した治水技術者集団です。巳野が寄進者筆頭であることから、このときすでに丘隅配下の治水技術者集団のとりまとめ役を担っていたと考えられます。
 本件を寄進した人々は、文命東堤築堤に直接関わった人たちであることがわかります。


文命東堤前碑
文命東堤前碑(ぶんめいとうていぜんぴ)


 享保11年(1726)に建立されました。文命宮とともに建立され、富士山噴火後の惨状・治水の心構え・文命の由来・祭礼の創始などが刻銘されています。石碑は南足柄市と山北町に所在しており、それぞれ文命東堤碑(文命東堤前碑とも)・文命西堤碑と呼ばれています。
 東の碑文の撰文は、荻生徂徠の逸話を集めた『蘐園雑話(けんえんざつわ)』によれば丘隅が起こした文章が大岡忠相から将軍吉宗に上げられ、吉宗がこの件について徂徠に相談せよと命じたので大岡から徂徠へ渡り、ここで徂徠が大幅に書き直しをして大岡を通じて丘隅に戻したとされます。
 文命東堤築堤の経緯と石碑の名称の由来を詳らかに後世に伝える資料です。


文命東堤後碑(旧碑)
文命東堤後碑(旧碑)(ぶんめいとうていこうひ・きゅうひ)


 享保11年(1726)に建立されました。文命東堤前碑の原文が刻まれているとされます。
 前碑と後碑では碑文に刻まれている内容が異なっており、東西(大口・岩流瀬)の文命堤の完成・文命宮の建立にあたり、田中丘隅と荻生徂徠が互いにどのような内容を後世に残すべきと考えていたかを比較検討できる資料です。
 


大口川丈地蔵尊
大口川丈地蔵尊(おおくちかわたけじぞうそん)


 享保11年(1726)頃に作られたとされます。
 田中丘隅が大口・岩流瀬・吉田島・金手・多古・飯泉に建立した六地蔵のひとつとされ、地域の住民から永く大切に祭られてきた地蔵尊です。
 他の5地蔵と合わせ「川丈六地蔵(かわたけろくじぞう)」と呼ばれています。
 現在も地域の住民によって守られていることは、過去の苦難に立ち向かった先人達を想い、災難にあった人々の霊を慰めていることの表れといえます。
 


この情報に関するお問い合わせ先

文化スポーツ課 文化班

電話番号:0465-73-8062


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